開発大臣会合に落胆。
2008-04-06
G8開発大臣会合議長のまとめについてのコメント。2008年4月5日~6日、G8開発大臣会合が開催され、議長のまとめが発表されました。鈴木は5日のレセプションに参加しましたが、本日発表された議長のまとめには、大きく落胆しています。
4月4日、日本のODA・政府開発援助の金額が、2006年には2位から3位に、2007年実績は世界第5位に転落したことが発表されたばかりです。引き続き、開発大臣会合の議長のまとめの内容を検討すると、日本には貧困解決に対して熱意はあるのか、史上最悪のサミットになりかねないのではないか、との危機感を強く感じざるを得ません。
言うまでもなく、開発においてはジェンダーの視点が不可欠であるのに、ジェンダーについての言及がまったくないことに驚きを隠せません。前回のドイツのハイリゲンダム・サミットなどと比べておおきな後退です。今年1月の世界経済フォーラムでの福田首相の演説の際にも、ジェンダーについてコメントがなかったことに引き続き、今回も残念な結果でした。
また、相変わらず「経済成長」のみを開発の中心としており、社会開発や人間開発の重要性には言及していないばかりか、経済開発の過程で起きる格差や搾取の問題には具体的な対策さえ示されていません。
さらには日本及びG8諸国の政府が果たすべき責任はまったく具体的に記載されておらず、いかようにも解釈できる抽象的な文言で逃げ回っています。
女性の人権のために不可欠な平和構築についての言及もありませんでした。
本当に大きな失望を表明せざるを得ないとともに、この課題の方向性を変えるために更なる市民社会の働きかけの必要性を感じています。
(4月6日付けプレスリリースを一部修正)
外務省のホームページ等で議長のまとめの詳細は発表されると思います。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20080406_174604.html
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